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インタビュー
株式会社ダイヤモンド社 事業開発局人材開発編集部部長・永田正樹氏、
事業開発局人材開発編集部・横川明子氏に聞く

「態度能力」の考え方を基本に、適性検査を開発
時代の変化に対応し、ストレス耐性テストも提供

『週刊ダイヤモンド』をはじめ、経済・経営・自己啓発書・ビジネス実務書など、ビジネスパーソンに有益な媒体を出版し続けるダイヤモンド社。今回インタビューしたのは、同社の人材開発編集部である。「若手社員の成長ストーリーを演出し、『一人前の仕事力』を身につけさせるための支援をする」を事業コンセプトに、適性検査・組織診断・OJT診断・社内教育ツールなどを提供。ダイヤモンド適性検査シリーズはDATAシリーズを代表とするコンピュータ診断方式のテストを6種、自社採点方式のテストを4種、計10種類のサービスをリリースしており、適性検査市場において確固たる地位を築いている。

プロフィール

株式会社ダイヤモンド社 事業開発局人材開発編集部部長・永田正樹氏

永田 正樹(ながた まさき)

1990年株式会社ダイヤモンド社入社、2004年人材開発編集部部長(現在に至る)「若手社員の成長ストーリーを演出し、一人前の仕事力を身につけるための支援をする」をコンセプトとし、採用・育成・定着のスパイラルをうまく機能させるためのツールやプログラムの開発に携わっている。中小企業診断士、ワークショップデザイナー。

株式会社ダイヤモンド社 事業開発局人材開発編集部・横川明子氏

横川 明子(よこかわ あきこ)

1991年株式会社ダイヤモンド社入社。2005年より人材開発編集部で適性検査シリーズを担当。


「態度能力」「知的能力」「ストレス耐性」が人材測定の核

---貴社の適性検査の基礎となる考え方について教えてください。

株式会社ダイヤモンド社 事業開発局人材開発編集部部長・永田正樹氏永田:当社の適性検査は、心理学の権威でもあり、早稲田大学名誉教授でもある本明寛先生と、先生のお弟子さん方を中心に開発していただいたものです。職場適応性テスト「DPI」としてリリースしたのは1965年です。

検査の根幹にあるのは、本明先生が提唱された「態度能力」という考え方です。企業の中で成果を上げている人を観察してみると、アタマが良い(知的能力)、腕が立つ(技能・技術的能力)という側面だけではなく、意欲が高い、人と上手にやっていけるというようなパーソナリティ面の能力を持っている人が多いことに気づくでしょう。このパーソナリティ面の能力が「態度能力」です。言い換えれば、対人関係処理能力と意欲からなるもので、人柄(パーソナリティー)ともいえるでしょう。

基本的にこの能力は、学習と経験によって比較的後天的に開発が可能ですから、新卒採用などで「能力は開発されていないけれども、ポテンシャルを見極めたい」といった場面で大変重要な測定項目となってきます。

また、「態度能力」の他にも、適性検査の主要なテストとして外せないものとして「知的能力」テストがありますが、当社の知的能力テストは、短時間にいかに多くの問題を解けるかを測定するスピードテストではありません。単なる「知識」ではなく、「考え抜く力」を測定するパワーテストと呼ばれるものです。当社の総合能力診断システム「DATAシリーズ」では、この態度能力と知的能力を測定することができます。

---貴社は、「ストレス耐性テスト」も提供されていますね。

横川:ストレス、メンタルケアの問題に対する注目が高まっていますが、当社では、ストレス耐性テスト「DIST」を2003年にリリースしました。その後、一度の改訂を経て、現在はストレス耐性診断システム「DIST-COM」とあわせてサービスを提供しています。「ストレス要因に対する耐性の強さ」と「ストレスに対処する能力」の2つの側面から診断するものですが、「態度能力」「知的能力」と並び、適性検査において測定すべき重要な柱だと考えています。

永田: 課題に挑戦するなど、変化が必要なとき、人には必ずストレスがかかります。当社では、これに、負けずにストレスを力に変えることにより人材は成長すると捉えています。一人ひとりがしっかりと本来持つ能力を発揮し、生き生きと働けるようにという想いから、ストレス耐性に特化したテストを開発しました。

---そのほかに、貴社の適性検査で何か特長はありますか。

永田:適性検査の実施に当たっては、採用担当者のパワーやコスト面が問題になることも多くありますが、当社ではコンピュータ診断方式だけでなく、自社採点方式のテストもご用意しています。自社採点方式ではソフトウェアをインストール必要もなく、手採点が可能なので、採用規模の小さい企業様などではコストをかけずに、利用することができます。

また、当社の適性検査は全般的に「予測性が高い」とご好評をいただくことが多く、リピート率が非常に高いことも挙げられます。

適性検査とは個人を理解するための「一つのものさし」

---適性検査を効果的に使うにはどうしたらよいのでしょうか。

株式会社ダイヤモンド社 事業開発局人材開発編集部・横川明子氏横川:当社の「DPI」の活用を一つ挙げますと、採用において特にお薦めしたいのが、面接場面での検査結果の活用です。お客様向けのセミナーや「ハンドブック」などでも活用方法を解説しています。

「ハンドブック」では、人物をより深掘りするために「面接で聞く質問例」を取り上げているのですが、適性検査で測定された個人の特性を、実際にその人物を目の前にし、再確認するためには、診断結果に沿った質問が有効です。

その他にもお薦めしたいのが、検査の継続的な利用です。例えば入社した人材を対象に、毎年検査を実施すれば、採用した人物の入社後の伸びしろを検証するうえでの有用な資料となります。入社後どのような人材が活躍するかというデータを蓄積し、その結果をもとに、新卒採用の人材要件を見直していく、成長人材の見極めもできます。ある会社では、入社3年後の業績と入社時の「DPI」の結果を分析し、同社で活躍する人材が「DPI」の診断項目のどの能力が高いのかを把握しています。この他、離職率やコンプライアンスとの関係を分析し、採用基準として役立てている企業もあります。

---最後に、適性検査の利用をご検討中の企業様・採用ご担当者様へのメッセージをお願いいたします。

永田:採用とは、会社側が「この人を採用してよかった」、人材側が「この会社に採用されてよかった」と思えるマッチングを見極める仕事です。採用ご担当者はいわば、会社と人材をうまく取り持つ役割を果たす方々。そして、そうした方々を支援するのが適性検査というツールです。決して適性検査の結果を絶対的なものとみなすのではなく、一つの「ものさし」として、正しいご理解のもと、ご活用いただければと思います。

---適性検査の意義、また、貴社の適性検査の内容・活用方法などへの理解を深めることができました。本日はありがとうございました。

株式会社ダイヤモンド社 事業開発局人材開発編集部部長・永田正樹氏、事業開発局人材開発編集部・横川明子氏

企業データ

社名 株式会社ダイヤモンド社
本社所在地 〒150-8409
東京都渋谷区神宮前6-12-17 ダイヤモンドビル
事業内容
  1. 雑誌・書籍・CD-ROMの発行・販売
  2. 各種会員制情報サービス事業
  3. 人材開発サポート事業
  4. データベースサービス(情報提供)
  5. 各種編集、制作受託
設立 1933年(昭和8年)5月25日
代表者名 代表取締役社長 鹿谷史明(しかたに・ふみあき)

会社情報 サービス情報 導入事例

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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