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適性検査の形態

(1)ペーパーテスト

●当初からの形態。冊子・マークシートで行うが、問題の組み合わせが限定されることも

「ペーパーテスト」は、紙による筆記試験であり、そもそもペーパーテストによる適性判断から始まったのが適性検査である。テストの種類はさまざまで、「はい・いいえ」で回答するものから、主語を設定して続く文章を完成させるもの、テーマを設定して小論文を書かせるものなど、多様な種類に及ぶ。冊子およびマークシート(多肢選択型)によって行われるが、採用選考の第一次段階で、スクリーニング(ふるい分け)目的で使用する場合は、マークシートを利用するものが多い。後述する「Webテスト」や「テストセンター」は、大量の問題群から受検者ごとに異なる組み合わせで出題される。それに対してペーパーテストは、出題される問題の組み合わせが比較的限定されている。

(2)Webテスト

●実施会場や監督官の設定など、時間的・人的パワーが大きく削減

採用選考における適性検査の中で、現在主流になっているのが「Webテスト」である。インターネットからエントリーしてくる大量の応募者を実際に面接できる人数に絞り込むため、パソコンがあれば時間も場所も問わず受験できるWebテストが求められているのだ。多くの場合、企業はメールや就活サイトのマイページなどを通じて、受検指示を送る。Webテストの出現によって、実施会場や監督官の設定も含め、実施における時間的・人的パワーが大きく削減されることになった。

ただし、Webテストでは「個人認証」が難しいのが問題だ。実際、代理受験などの不正行為が報告されている。そのため、「テストセンター」を設け、身分証明を行い、不正受験をなくす形態を取る適性検査提供会社も出てきている。しかし海外などを含め、居住地にかかわらず応募者に受検の機会を提供するという意味において、Web検査は非常に大きな意義・価値があるものと言えるだろう。

(3)テストセンター

●個人を認証した上で、全国主要都市でWebテストを行う

Webテストの不正受験を防止するために設けられたのが、受検者の身分証明書を確認するため、全国の主要都市に受検会場を設置し適性検査を行う「テストセンター」と、企業内で適性検査を実施する「インハウス」である。

適性検査提供会社が主体となって実施する「テストセンター」は、応募者が予約を行い、身分証明書を持参して受検する。そのため、企業側ではWebテストと同様、実施会場・監督官が不要となり、コストを抑えることができる。個人認証ができるため、企業・受検者双方にとって信頼感、納得感も高くなる。ただ、会場が主要都市に存在するので、地方在住など一部の受検者には不便な場合もある。そのため、適性検査提供会社では実施日を増やすなどの対応を行っている。

(4)インハウス

●企業内でWebテストを実施。同時に会社説明会、面接を行うことも可能

適性検査提供会社が全国主要都市で行う「テストセンター」に対し、「インハウス」は企業内でWeb検査を実施するものである。この場合、採点時間を短くして、会社説明会や面接を同時に行うことも可能である。ただし、実施会場のスペースやパソコン台数によって受検人数が決まるので、応募者の多寡によって実施日の増減が出てくる。

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採点に関しては適性検査提供会社が行う場合と、自社で行う場合がある。自社で行う際、検査から採点までのパッケージソフトを購入することになるが、経年のデータ分析・比較を自社内で行えるため、データ管理の安全性が担保される。また、結果を採用以外の目的に活用することもできるなど、メリットが多い。ただし、集計に手間暇がかかり、データの読み取り・分析などに関する技術・経験が求められるなど、人事担当者への負担も少なくない。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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