適性検査の種類・区分
(1)適性検査の「種類」
●数多く存在する適正検査の種類
近年、採用選考を中心に使われる適性検査には、能力検査、パーソナリティー検査、性格検査、学力検査、コンピテンシー診断、職種適性検査、ストレス耐性診断など、以下に示すように実に多様な商品がある。
【多様な適性検査】
心理テスト | 心理学的な手法に基づいて開発されたテストに対して、幅広く用いられる名称。特に、精神障害を支える臨床テストに限定して用いられることが多い。 |
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パーソナリティーテスト | 能力を含む、パーソナリティーを測定するテストに用いられる名称。性格の側面に限定して用いられることが多い。 |
適性テスト | 特定の職種に限定されない一般適性テストから、特定の職種に限定されたテストまで、幅広く職務との関連付けがなされたテストに用いられる名称。また、人事用の心理学テストの総称として、広義に用いられる。 |
能力テスト | 知識、学力を測定されるテストに用いられることもあるが、一般的には汎用的な知的能力を測定するテストを示す。 |
知能テスト | 知能要因を明確に定義し、それを純粋に抽出、測定するテストの名称。診断に主眼が置かれ、職務との関連性には意が払われないことが多い。 |
学力テスト | 学問領域の知識や技能の多寡を測定するテストに用いられる。 |
性格テスト | 一般的な性格特性を測定するテストに用いられる。臨床用のテストは「心理テスト」という名称が同義に用いられることもある。 |
興味テスト | 複数の職業に対する興味の程度を測定するテストに用いられる。 |
最近の商品の傾向を見ると、「能力テスト」と呼ばれるものは数的処理、言語的処理、論理的思考などの能力に注力したテストが多い。「パーソナリティーテスト」は、性格的側面を測定するものが多いが、能力検査を含むものも少なくない。また、「パーソナリティーテスト」が個人の持つ「性格」を測ることが多いのに対して、「コンピテンシー診断」と呼ばれるものは「意識に上がってこない」「他人からは見えない」行動を決定する特性(コンピテンシーソース)全般を測るものである。
また「適性テスト」は、パーソナリティーや知的能力などの総合的なものであり、組織適性、職業適性、ストレス耐性なども合わせて測定できる場合が多い。各商品がどの部分を測定するものかは、コンセプトや開発背景、実際の診断結果を取り寄せて確認することが大切だ。
(2)適性検査の「区分」
●「能力」「性格」「興味・指向」を測定する
適性検査には多種多様な種類が存在するが、その内容を大きく分けると「能力」「性格」「興味・指向」の三つに区分することができる。そして、これらを合わせて「総合適性検査」として測定することにより、人物についてより幅広く情報を収集することができる。
区分 | 測定内容 | 測定手段 |
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能力 |
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性格 |
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興味・指向 |
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*一般的に、上記の性格適性検査と同様の測定手段が用いられる。 |