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多面評価制度
[タメンヒョウカセイド]

人事評価の制度をより高めるために、上司だけでなく部下や同僚、顧客など複数の方位から評価を行う制度です。上司から部下への一方的な視点に立つのではなく、あらゆる方向からの評価であるため「360度評価」とも言われます。すでに一般の企業の1割以上で導入されており、今後もさらに広がりそうです。

多面評価制度のケーススタディ

実施方法は企業によって各社各様<br />評価者の選び方が重要なポイント

多面評価制度の実施方法は企業によってさまざまです。被評価者(対象者)1人に対して評価者が2人の場合もあれば、10人以上という場合もあります。また、被評価者の所属組織によって評価者数が増減する場合も少なくありません。たとえば2003年度から管理職層1万人を対象に「360度フィードバックプログラム」を導入している総合電機の日立製作所の場合、評価を行う上司、同僚、部下、後輩は7人以上10人以下を目安にしています。評価者を人事部が選んだり、質問項目や集計業務を専門業者に委託したりしているケースもあります。

評価する仕組みも企業によって各社各様です。オフィスサプライ大手のコクヨは、32項目を5段階で評価。項目の評価はコンピテンシー評価をベースに設定しています。一方、日立製作所は80項目の行動特性を5段階、16項目の必要とされる能力を7段階で評価する仕組みです。被評価者の強みや弱み、改善してほしい点などを自由に記入させるコメント欄を設けている企業もあります。

評価結果をどのように活用するかは、多面評価の実施目的によって違ってきます。昇進・昇格や賞与算定に反映させる企業が最も多いようです。そうした企業では、評価が低いと昇格を見送ったり、降格させたりするケースもめずらしくありません。一方、評価結果を人事考課にまったく反映させず、本人に「気付き」の機会を与え、能力開発や自己開発に活用しようとしている企業も増えています。後者の場合、結果を本人にしか明かさず、人事考課などに影響しないように、上司に見せないようにしているところもあるようです。

多面評価を実施する本来の目的は、あくまで人事評価の公正性・客観性の確保や人材育成にあります。そのために最も重要とされるのは、評価者の選定です。偏った人選を行うと偏ったデータになる可能性があるからです。被評価者と仕事上のかかわりが少ない人を選べば、有用な情報が得られない場合も少なくありません。誰に評価してもらうかを被評価者本人が決めている企業もあるようですが、本人に都合のよい人ばかりだと恣意的な評価に陥りやすいので、注意する必要があります。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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