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ファーストペンギン
[ファーストペンギン]

「ファーストペンギン」とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。日本でも、NHKの朝の連続ドラマでそのエピソードが紹介され、広く一般に知られるようになりました。

ファーストペンギンのケーススタディ

リーダー不在の集団を導く“最初の1羽”
自分を信じリスクをとってチャンスを掴む

ペンギンは、多くの個体が隊列を組んで氷上を移動したり、エサの魚を囲い込んで捕食したり、つねに群れで固まり集団行動をとることで知られますが、実はそのペンギンの群れには、特定のリーダーがいません。例えば、群れに何らかの危険が迫った場合は、いち早く察知した1羽の後に続くことで、まわりもいっしょに難を逃れます。強いボスやリーダーではなく、“最初の1羽”に従うのが彼らの集団行動の特徴なのです。

この習性は、ふだん陸上で過ごすペンギンたちが、エサの魚を採るために海へ入るときにも発揮されます。集団性が強いので、群れの中の誰かが海に入るまでは、みんな氷上にとどまって動きませんが、誰か1羽でも先陣を切って飛び込めば、後に続けとばかりに次々と海に入っていくのです。そこにはシャチやトド、オットセイなど、恐ろしい天敵が待ち受けているかもしれません。生命の危険を顧みず、真っ先に飛び込んだペンギンは、身をもってその海が安全であると仲間に示す一方、そうすることで誰よりも確実に、お腹いっぱいのエサにありつくチャンスを得るわけです。

ハイリスク・ハイリターンは、人間社会の生存競争にも通じる理でしょう。ビジネスの世界では、かつて誰も足を踏み入れたことのない領域に挑むベンチャー企業の創業者や、イノベーションを引き起こすプロフェッショナルのことを、この勇敢な“最初の1羽”になぞらえて、「ファーストペンギン」と呼びます。米国の学生にキャリア観を尋ねると、最上位に「起業家」が挙がるのは、幼い頃から「人と同じでなく、ファーストペンギンを目指しなさい」という教育が徹底されているからです。インターネットの技術が世の中に現れたばかりの頃、それが近い将来、社会を大きく変え、人々の生活になくてはならないものになると想像した人はどれくらいいたでしょうか。このとき、自分を信じ、リスクをとって海に飛び込んだファーストペンギンたちが、いまや時価総額トップレベルの世界的IT企業をつくり、業界全体のイニシアティブさえ握っているのです。

「ファーストペンギン」という言葉は、NHKの朝の連続テレビ小説「あさが来た」にも登場し、話題になりました。ドラマのヒロイン「白岡あさ」のモデルとなった広岡浅子は、明治時代を代表する女性実業家。当時新しい産業として注目されていた炭鉱業にいち早く進出したほか、銀行や生命保険会社、日本で初の女子大学の設立に尽力するなど、女性が社会の表舞台へ出ること自体がまれな時代に、次々と新しい冒険的事業へ乗り出していきました。まさに、日本の誇るファーストペンギンの一人でしょう。

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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